【獣医師監修】犬と猫の糖尿病ってどんな病気?~原因と症状、治療法について知ろう~

2025.7.28

  • 病気

【獣医師監修】犬と猫の糖尿病ってどんな病気?~原因と症状、治療法について知ろう~

糖尿病とは、血糖値を下げるホルモンであるインスリンの分泌や作用が低下することで、血糖値が持続的に高くなってしまう病気です。
犬と猫においてはよくみられる内分泌疾患です。
血糖値の高い状態が長期間に及ぶと、心臓病や白内障、腎不全など、さまざまな合併症を引き起こします。
また、インスリンの不足が続くと、昏睡など重篤な症状が現れます。
糖尿病は早期発見・早期治療が大切です。

犬と猫の糖尿病の原因~インスリンの不足~

糖尿病はインスリンの分泌不足や作用不足により引き起こされます。
インスリンは血糖値を下げるホルモンです。血液中を流れる糖(血糖)はインスリンの働きにより全身の細胞に取り込まれ、身体活動に必要なエネルギー源となります。
インスリンの分泌や作用が不足すると、血糖がうまく細胞に取り込めなくなるため、血糖値が持続的に高くなり、糖尿病の発症につながります。
インスリンが不足する原因により糖尿病は主に2つのタイプに分けられます。

Ⅰ型糖尿病~犬で多い糖尿病~

インスリンを分泌する膵臓のβ細胞が自分自身の免疫により破壊されることで、インスリンの分泌が低下し、絶対量が不足します。治療にはインスリン投与が必要で、インスリン依存性糖尿病とも呼ばれています。

Ⅰ型糖尿病は犬での発症が多く、犬の糖尿病の半数以上はⅠ型糖尿病であると言われています。

Ⅱ型糖尿病~猫で多い糖尿病~

肥満や運動不足、遺伝的要因などによりインスリンの分泌が低下したり、インスリンの効きが悪くなること(インスリン抵抗性)で血糖値が上がり、糖尿病を発症します。治療にはインスリンを必要としないこともあり、インスリン非依存性糖尿病とも呼ばれています。

Ⅱ型糖尿病は猫での発症が多く、猫の糖尿病の80~90%がⅡ型糖尿病です。

膵臓癌や膵炎などの膵臓疾患はインスリンを分泌するβ細胞を傷つけ、インスリン分泌低下につながります。
また、副腎皮質機能亢進症や甲状腺機能亢進症などインスリン抵抗性を招く疾患もあり、これらの疾病から糖尿病を併発することもあります。

犬においては発情や妊娠に関連して糖尿病を発症することもあります。

かかりやすい品種

<犬>
プードル、ダックスフンド、サモエド、ロットワイラー、キースホンド
<猫>
バーミーズ

かかりやすい品種

犬と猫の糖尿病の症状~早期発見・早期治療を~

糖尿病のタイプに関わらず以下の症状がみられます。

お水をよく飲み、おしっこの量・回数が多い(多飲多尿)

よく食べるのに痩せていく

症状が悪化すると、昏睡状態に陥るおそれがあります。
また、糖尿病は心臓病や白内障、腎不全などさまざまな合併症を引き起こします。
重症化させないためにも早期発見・早期治療を心掛けましょう。

犬と猫の糖尿病の治療~血糖値のコントロールが大事~

血糖値のコントロール

犬と猫の糖尿病の治療は適切に血糖値をコントールすることが大切です。
インスリン注射や経口血糖降下薬で血糖値を正常の範囲内に保ちます。
また、食事療法や運動も血糖値のコントロールに有用です。

猫で多いⅡ型糖尿病の場合、運動や体重管理、食事療法により、インスリンが不要になることもあります。

犬と猫の糖尿病の予防

犬と猫の糖尿病の予防

生活習慣

肥満や高脂肪食、運動不足は糖尿病のリスク因子であるため、体重管理、適切な食事、適度な運動は糖尿病の予防につながります。

基礎疾患の治療

膵炎や副腎皮質機能亢進症などの疾病から糖尿病を発症することもあるため、基礎疾患の治療はしっかり行いましょう。

避妊手術

発情や妊娠に関連して糖尿病を発症することもあります。繁殖予定がない場合は避妊手術を実施した方が良いでしょう。

保険金お支払い例

※過去の当社への保険金請求データをもとに、シミュレーションした事例です。
※下記の診療費等のデータは一例であり、一般的な平均・水準を示すものではありません。

MIX(小型犬)
病名
糖尿病
ペット品種
MIX(小型犬)
事故年齢
8歳
加入プラン
いつでもパックプレミアム

治療費合計:84,920円

保険金支払額:72,000

給付率:84.8% 自己負担率:15.2%

保険金種類 治療費用 保険金支払額 自己負担 自己負担の内容
入院1日目 17,050 - -
入院2日目 10,450 - -
入院3日目 30,030 - -
入院4日目 10,780 - -
入院5日目 9,130 - -
入院6日目 7,480 - -
∟入院合計額 84,920 72,000 12,920 補償限度額超過
合計 84,920 72,000 12,920

糖尿病のMIX(小型犬)が治療のため6日間入院したところ、84,920円の治療費用となりました。当社ペット保険のプリズムペット プレミアムプランに加入していた場合は、72,000円の保険金が支払われ、自己負担は12,920円です。

犬と猫の糖尿病に備える!おすすめのペット保険

ペットは人間より4倍から7倍のスピードで成長していると言われています。
成長のスピードが速いため、たった1日で、症状が急激に悪化してしまうことも!?
また、ペットには人間と違って公的な健康保険制度がなく病気やけがの診療費は、飼い主さまの全額自己負担となってしまいます。
「ペットは言葉で伝えることが出来ません」
ペットの何気ない変化を見逃さず、動物病院へ足を運んでいただき、けがや病気の早期発見・早期治療につながりますよう、ペット保険をお役立てください。

おすすめのペット保険

SBIプリズム少短の獣医師 藤沼淳也

監修者プロフィール

獣医師 藤沼 淳也

獣医学部卒業後、動物病院にて臨床業務に従事。
猫専門病院の院長を経て、現在はより良いペットの生活環境の構築に尽力。

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