もくじ
モモンガとは?〜モモンガとフクロモモンガの違い〜
モモンガは前後肢の間にある飛膜を広げて滑空し、木から木へと移動するのが特徴的な動物です。日本に生息しているのは主に、ニホンモモンガとエゾモモンガになります。
一方、ペットとして飼育が可能なモモンガはフクロモモンガとアメリカモモンガの2種類になります。フクロモモンガはモモンガと似た見た目で同じモモンガという名前が入っていても生物学的には異なる動物になります。

モモンガ:ゲッ歯目 リス科 モモンガ属
リスやネズミの仲間です。
フクロモモンガ:有袋目 フクロモモンガ科 フクロモモンガ属
カンガルーやコアラの仲間です。
このコラムでは、ペットとして人気のあるフクロモモンガの特徴から、フクロモモンガとの暮らしをより豊かにするためのヒントまで、フクロモモンガを飼育するにあたって知っておきたいことをご紹介します。
フクロモモンガの特徴と性格
フクロモモンガの基本情報
体長:12〜21cm
体重:80〜160g
寿命:10年〜15年
原産地:オーストラリア、ニューギニアなど
フクロモモンガの特徴〜飛膜を使って移動〜
フクロモモンガは前脚の小指の付け根から後肢の足首まで伸びる「飛膜(ひまく)」と呼ばれる膜を持っており、これを広げて木から木へと移動します。長い尾は、滑空時の方向転換やバランスをとるのに役立ち、最大50メートルも滑空し餌を探します。
また、夜行性のため、暗闇でもよく見えるように目が大きく発達しており、オスのフクロモモンガは、頭部、胸部、喉元に臭腺があり、縄張りを示すために分泌液をこすりつけます。この臭いが、フクロモモンガ特有の体臭の元となっています。
フクロモモンガの代表的なカラー
フクロモモンガにはさまざまなカラーが認められており、カラーバリエーションが豊富です。ここでは代表的なカラーを紹介します。
ノーマル(クラシック、スタンダードグレイ)
一般的なカラー。体は青みがかった灰色で、頭からお尻にかけて黒いライン(背線)が入っています。目の周りや耳にも黒い模様があります。
ホワイトフェイス
ノーマルと似ていますが、顔が白く、耳の下に通常はある黒いラインがありません。
背中のラインや目の周りの模様はノーマルと同じように黒いです。
モザイク
白と灰色(または他の色)のブチ模様が特徴で、個体ごとに柄が異なります。
柄の入り方によって、様々な呼び方(リングテール、チップテール、ソックスなど)があります。白抜けが全身に及んでいる個体もいます。
リューシスティック(リューシ)
非常に人気が高く、希少なカラーです。
全身が真っ白な毛色で、目は黒いです。
アルビノと似ていますが、アルビノと違って色素は生成されるため、目が黒くなります。
クリミノ
全身がクリーム色や薄いブラウンの毛色です。
目の色はブドウのような赤色(ルビーアイ)をしています。
プラチナ
ノーマルよりも薄い、明るいシルバーグレーの毛色です。
背中のラインも薄く、目立たないことが多いです。
アルビノ
メラニン色素が欠如しているため、全身が真っ白で、目は赤色をしています。
目が光に弱いため、飼育には特に注意が必要です。
フクロモモンガの性格〜慣れると見せてくれる人懐っこい性格〜
フクロモモンガは群れで生活する動物なので、単独飼育の場合、寂しさやストレスを感じやすいです。毎日コミュニケーションをとるなど愛情を持って接してあげましょう。飼い主との信頼関係が築けると手乗りになったりポケットの中で眠ったりするほどなつきます。
一方、最初は新しい環境や人間に対して非常に強い警戒心を示すこともあるので、焦らずにゆっくりと時間をかけて接しましょう。
フクロモモンガの日ごろのお世話とケア
フクロモモンガの基本的なお世話
フクロモモンガは基本的にケージで飼育します。木登りや滑空を好むため上下運動ができるスペースが必要になるため、ケージを選ぶときは高さがあり丈夫なステンレス製のケージにしましょう。
ケージの床には新聞紙や小動物用のウッドチップ、ペーパーチップなどを敷き、昼間に安心して眠れるように、布製のポーチや巣箱をケージの高い場所に設置してあげましょう。
水入れはひっくり返さないように給水ボトルがおすすめで、ご飯入れは重さのある陶器製などが適しています。
フクロモモンガの食事〜夕方から夜にかけてご飯をあげましょう〜
フクロモモンガの主食は総合栄養食(ペレットフード)です。
体重の約5〜10%を目安に、夕方から夜にかけて与えましょう。
おやつは、動物性タンパク質としてミルワームやコオロギ、リンゴやバナナなどの果物、にんじんや小松菜などの野菜も与えられます。
果物は、糖分が多いので与えすぎには注意しましょう。

<食べさせてはいけないもの>
ネギ類(長ネギ、玉ねぎ、ニラ、ニンニクなど)
アボカド
チョコレートやカカオ製品 など
フクロモモンガのグルーミング〜定期的に爪切りをしよう~
フクロモモンガの爪は鋭く伸びるため、定期的な爪切りが必要です。ペット用の爪切りやヤスリを使って血管を切らないように注意して行いましょう。
爪切りに不安のある場合は、動物病院などで爪切りをお願いしたり、ケージ内に爪研ぎを設置するなどして爪切りの回数を減らしたりして、無理せず自分にあった方法でケアしてあげましょう。
また、グルーミングは、フクロモモンガの健康状態をチェックする良い機会になります。
毛並み: 毛並みがつややかで、フケや脱毛がないか。
皮膚: 赤みやただれ、かさぶたなどがないか。
目やに、鼻水: 目やにや鼻水が出ていないか。
排泄物: おしっこやうんちの状態に異常がないか。
体重: 定期的に体重を測り、急激な増減がないか。
これらのチェックを行うことで、フクロモモンガの小さな異変に気づくことができます。
何か気になることがあれば、早めに動物病院に相談しましょう。
フクロモモンガは室温管理が大切!〜快適な空間を作るには?〜
フクロモモンガは寒さには非常に弱いため室温は24〜28℃前後を保つように飼育し、冬場はペット用ヒーターやエアコンなどを使用して快適な空間を作ってあげましょう。
また、乾燥しすぎると皮膚に影響が出るため、湿度は45〜55%程度を保つようにしましょう。
フクロモモンガとのコミュニケーション~部屋んぽでは蚊帳が活躍!~
フクロモモンガは寂しがりやなので、毎日声をかけたり、おやつを与えたりして、スキンシップを取ることが大切です。
フクロモモンガの活動時間帯である夜に合わせて、一緒に遊ぶ時間を作ることで信頼関係が築けます。
また、運動不足解消やストレス発散のために、広い場所で遊ばせる「部屋んぽ」の時間をつくってあげましょう。
家具の隙間に入り込んだり、誤飲したり、感電したりする危険があるので、蚊帳の中で遊ばせる、通称「蚊帳んぽ」であれば、これらの危険からフクロモモンガを守ることができます。
フクロモモンガのかかりやすい病気
低カルシウム血症
不適切な栄養管理によりカルシウムが不足すると低カルシウム血症が引き起こされます。具体的な症状は食欲不振、骨がもろくなる、全身が震える等その症状は様々であり確実に診断するためには動物病院での検査が必要になります。このような症状が認められるか心当たりのある場合は速やかに動物病院に連れていき獣医師の診察を受けましょう。
虫歯・歯周病
フクロモモンガは野生では花の蜜も食べることから飼育下でも同じようにと甘いものを多く与えすぎると歯の表面に歯石が付着し最終的に虫歯へと進行する可能性があります。虫歯になってしまうと歯が抜け落ちるか膿瘍を作り顔全体が腫れてしまいます。
下痢
細菌(サルモネラ菌、クロストリジウム、大腸菌など)感染や食事、寄生虫(トリコモナス、ジアルジア、コクシジウムなど)によって下痢が引き起こされる可能性があります。下痢はいろんな動物でよくみられる症状ですが放っておくと脱水症状を引き起こし最悪の場合は命に関わる危険性があります。ケージ内や本人のお尻周りが汚れていたりしたらすぐ病院に連れていき適切な処置をしましょう。
保険金のお支払い例
※過去の当社への保険金請求データをもとに、シミュレーションした事例です。
※下記の診療費等のデータは一例であり、一般的な平均・水準を示すものではありません。

- 病名
- 下痢
- ペット品種
- フクロモモンガ
- 事故年齢
- 2歳
- 加入プラン
- いつでもパックプレミアム
治療費合計:42,669円
給付率:85.46% 自己負担率:14.54%
- 給付事例の詳細はこちら
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保険金種類 治療費用 保険金支払額 自己負担 自己負担の内容 通院1日目 9,768 6,000 3,768 補償限度額超過 通院2日目 5,951 5,951 0 通院3日目 4,554 4,554 0 通院4日目 4,895 4,895 0 通院5日目 4,554 4,554 0 通院6日目 8,437 6,000 2,437 補償限度額超過 通院7日目 4,510 4,510 0 合計 42,669 36,464 6,205
下痢のフクロモモンガが治療のため7日間通院したところ、42,669円の治療費用となりました。当社ペット保険のプリズムペット いつでもパックプレミアムに加入していた場合は、36,464円の保険金が支払われ、自己負担は6,205円です。
フクロモモンガにおすすめなペット保険のご紹介
ペットには人間と違って公的な健康保険制度がなく、病気やけがの診療費は全額飼い主さまの自己負担です。
「ペットは言葉で伝えることが出来ません」
ペットの何気ない変化を見逃さず、動物病院へ足を運んでいただき、けがや病気の早期発見・早期治療につながるよう、ペット保険をお役立てください。
監修者プロフィール
獣医師 R・H
麻布大学獣医学部獣医学科卒業。
大学の研修医を経て、夜間救急動物病院で様々な動物の診療に従事。
麻酔科で勤務していた際、重病の動物たちを目の当たりにし予防医療の大切さを痛感しました。
自身の獣医学の知識と経験をもとにペットを飼育している人たちに向けて正しい情報を伝えていきたいです。